弁護士のSEO対策|専門家が解説する法律事務所集客サイトの検索対策の考え方

このページで分かること
- 弁護士サイトにおけるSEO対策の全体像
- 記事を増やしても問い合わせが増えない理由と改善策
- 長期的に安定した集客を実現するコンテンツ設計の考え方
このページの結論
- 法律事務所のホームページは正しく設計すればSEO対策には非常に有効
- 弁護士自身が執筆・監修した記事は Googleから高く評価されやすい
- 重要なのは「記事量」ではなく 相談者の悩みの深さを踏まえた設計
- 内部施策(構造・導線)と、分かりやすい原稿作成が成果を左右する
弁護士が作成する「良いコンテンツ」とは
弁護士(法律事務所)のSEO対策を考える上で、まず最も重要な前提があります。
それは、「誰が・どの立場で・どのような経験をもとに書いているか」が、検索評価に強く影響する時代になっているという点です。
Googleのコアアップデートの流れを見ても、法律分野のような YMYL(人生に大きな影響を与える分野) ではE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)が特に重視されています。
弁護士は、法律の専門知識と実務経験を有する専門家です。その弁護士が、自らの知見をもとに記名で執筆・公開した記事は、信頼性と専門性の裏付けが明確であり、Googleからも高く評価されやすくなります。
正しいルールと構造で書かれた記事は、一時的ではなく、長期的に評価され続ける資産になります。
「弁護士(法律事務所)がSEO対策で意識すること」で E-E-A-T(専門性・権威性・信頼性)について解説しています。
また、記事には 最終更新日の表示 を行い、情報の鮮度が分かるようにすることも重要です。
1. SEOとは何か?まず押さえるべき基本概念
SEO(Search Engine Optimization)とは
SEOとは、
検索ユーザーが求めている情報を、適切な形で届けるための最適化です。
弁護士サイトのSEO対策では、次の3点を常に意識する必要があります。
① ユーザーの疑問・不安に答えているか
法律相談者の多くは「今すぐ困っている」状態です。
抽象的・回りくどい説明では、すぐに離脱してしまいます。
② Googleが理解しやすい構造になっているか
titleタグ、hタグ、内部リンクなどが整理されているほど、検索エンジンはページの内容を正しく評価できます。
③ 専門性・信頼性を示せているか
弁護士分野ではE-E-A-Tが必須です。
資格・経験・見解が読み取れる内容であることが重要です。
弁護士が持つ知識は、もともとユーザーにとって価値のある情報です。
必要なことを丁寧に説明すれば、
結果として記事は 3000文字以上 になることも珍しくありません。
「弁護士(法律事務所)がSEO対策で意識すること」で E-E-A-T(専門性・権威性・信頼性)について解説しています。
2. 弁護士サイトのSEOが難しいと言われる理由
法律分野のSEOが難しい理由には、次のような特性があります。
- SEO対策で評価を上げるのには結論が必要だが、断定的なことは言いにくい業種なので、兼ね合いが難しい
- 情報の誤りが評価低下に直結する
- 誤解を招く表現は低品質と判断されやすい
- 専門性の裏付けが常に求められる
- 競合が多く、検索意図も多様
弁護士の集客サイトの記事作成においては、サイト全体の整理を把握した上での記事の構想、専門家視点、そして相談者の悩みの深さを踏まえた設計が不可欠です。
3. SEO対策の基本|まず押さえるべき内部施策
titleタグ
検索順位に最も影響する要素。
ターゲットキーワードを左側に、かつ “ユーザーにとって魅力的なフレーズ” を配置します。
例:
「弁護士のSEO対策|専門家が解説する法律事務所集客サイトの検索対策の考え方」
meta description
ユーザーに読む価値を伝える文章、検索順位には直接の影響はありませんが、クリック率に影響を与える要素です。リスティング広告を行っている方であれば、リスティング広告の広告見出しと同様の考え方で作成する必要があります。
- 80〜120文字が理想
- 結論は前半に配置し、魅力的なフレーズにする
- キーワードを自然に含める
PC・スマホともに検索結果で表示されるのは 約60〜80文字ですが、設定したmeta description全体は検索エンジンがスニペットを生成する際の候補として利用されるため、表示されない部分も無駄ではありません。ちなみにAIOSEOで推奨される最大文字数は160字となっています。
hタグ構造(h1/h2/h3)
hタグはGoogle が記事の内容を理解するための骨組みとなるもので、「見出しタグ」であり、ページの構造を階層的に示す役割を持ちます。ユーザーにとっても読みやすい文書構造を作るために不可欠です。
- h1はページ全体のテーマ
- h2は大項目
- h3は補足的な説明に使用、または大項目を細分化して説明する小項目
階層が崩れているサイトは評価されづらい傾向があります。
1Pで1テーマの説明を使用する考え方でコンテンツを作成していただくのが望ましいです。話しがいろんなテーマに飛んでしまったり、h3 で h2 と全く別の話題に触れてしまったりすると階層が崩れていることになります。
内部リンク
内部リンクは同一サイト内のページ同士を結ぶリンクであり、SEOにおいて検索エンジンにサイト構造を伝える重要な役割を持ち、ユーザーの回遊性や滞在時間を高める効果があります。
- 基幹ページはグローバルメニューまたはフッタメニューに入れる
- 基幹ページから関連ページへリンクはユーザーの回遊性を高め、サイト全体のテーマ性を強化。
- 関連ページから基幹ページへリンクは基幹ページの評価が高まる。
- パンくずリストや目次リンクはナビゲーション補助になるので設置する
- アンカーテキストにはリンク先ページのキーワードを含めつつ自然な表現にする
- 内部リンクでCTAページ(問い合わせ・購入ページ)への導線を強化、基本的にはテンプレートに入れて全ページ表示する
内部リンクはSEO効果だけでなく、ユーザーの回遊性を上げ、相談につながる“導線設計”としても極めて重要です。
内部リンクで評価を集めるサイト設計【法律事務所・弁護士向けSEO】で内部リンクについて解説しています。
URL とカテゴリ設計
- 論理的なディレクトリ構造
- カテゴリ乱立を避ける
- 重複コンテンツを作らない
コーポレートサイトの場合、特に「交通事故」「相続」など、分野別の主軸ページをきちんと整備するだけでSEO効率は大きく上がります。
※テーマサイトで、例えば相続の場合「遺産分割」「遺留分」など相続分野の主軸ページの整備が必要です。「相続とは」というコンテンツ中に全ての説明を含んでしまうことは避けましょう。
4. コンテンツSEO|順位を左右する「専門性の出し方」
記事SEOの出発点は、検索意図の理解です。
読者が本当に知りたいこと
多くの相談者が知りたいのは、「法律の説明」ではなく「自分の場合、どうなるのか」 です。
解決事例や判断基準を示すことで、読者は自分事として読み進めます。
専門用語の羅列にならないために
同業者ではなく、相談者にとって分かりやすいか を基準に書く必要があります。
弁護士必見!法律事務所のホームページ原稿作成方法を解説!で法律事務所の原稿作成のポイントについて解説しています。
良いコンテンツの条件
- 結論、理由、補足の順で書く
- 状況・事例(実際の事例ではなく、過去に経験したものを掛け合わせて構いません)を入れて読者が自分事として読めるようにする
- 図や箇条書きで離脱を防ぐ
- 確定的な言い方ではなくていいので、弁護士としての見解や判断基準をなるべく入れる
- そのテーマで弁護士に相談した場合のメリットを述べる
Google がE-E-A-Tで求めるのは“弁護士という専門家だからこそ書ける文章”です。
法律事務所が今後取るべきコンテンツ戦略とLLMO対策・AIO対策で弁護士が取り組むべきコンテンツ内容ついて解説しています。
5. 外部施策(被リンク)についての正しい理解
外部施策は慎重に扱う必要があります。
弁護士サイトは被リンク施策でペナルティを受けやすい
- リンク購入
- 相互リンク集
- 不自然なアンカーテキスト
は避けるべきです。
良質なリンクとは
- メディア掲載
- 行政機関サイトからの紹介リンク
- 弁護士会などの公共性の高いサイトからのリンク
- ポタールサイト等へ寄稿した原稿からのリンク
など。
自然発生的なリンクこそ価値があります。質の高い記事を継続的に公開すれば、参照元として扱われ、SNSや外部サイトからの被リンクも自然に蓄積されていきます。
6. よくある失敗|元ページの問題意識も反映
① 記事を増やしたのに問い合わせが来ない
- 検索意図とズレている
- 基幹ページの設計不足
- CTA(Call To Action:行動喚起)が弱い
法律事務所が今後取るべきコンテンツ戦略とLLMO対策・AIO対策で問い合わせに繋がる「DOクエリ」「GOクエリ」強化の必要性について解説しています。
② 他社と同じ構成のコラムを量産してしまう
独自性がなく評価されない。
コラム案を考える時に他事務所のコラムを参考にするのはよいと思いますが、構成が全く同じだったり、細目が同じだったりすると、独自性が出ません。基本的には参考にしたとしても全く同じものにはなりません。視点を変える、独自の事例を入れる、独自の意見を入れる、法律改正により必要な要素を入れるなどの工夫が必ず必要です。
③ SEO会社の「とりあえず記事量産戦略」に依存
弁護士業界のことを分かっていない、同業がどんなことを行っているかを把握していない会社がコンテンツを量産しても、士業ジャンルでは逆効果となることが多いです。それでも依頼する場合はタイトル案と目次案まではご自分で作成したほうがよいです。
7. 弁護士SEOは“設計”で勝つ
弁護士SEOは、記事の上手さより“サイト設計”で勝敗が決まります。順位より先に“問い合わせ導線”を設計してください。
- 分野ごとの基幹ページ
- そこへ正しく流し込む記事
- 内部リンクによる評価の集中
- 専門性を示すプロフィール・実績・監修表示
この4つが揃えば、長期的に安定した集客につながります。
8. SEOに強いホームページ制作・運用サポートのご案内
法律事務所のSEO対策は、「何をすれば良いか」ではなく“どう設計するか”が成果を左右します。
- SEO設計
- カテゴリ構造の再構築
- コンテンツ企画
- 内部リンク最適化
- 運用・改善コンサルティング
9. ページの読み込み速度はSEOの土台|弁護士サイトで特に重要な理由
サイトの読み込み時間はSEOの根本的な評価要素であり、法律事務所サイトでは特に優先すべき項目です。
Google は 2021 年以降「Core Web Vitals(コアウェブバイタル)」を正式指標とし、
- 表示速度(LCP)
- 操作可能になるまでの時間(FID→INP)
- レイアウトの安定性(CLS)
などを重要なランキング要因に含めています。
つまり、ページが遅いだけで順位が落ちます。
さらに、弁護士サイトでは一般のサービス業よりも深刻な問題があります。
① 法律相談者は“悩んでいる状態”で来るため、離脱が早い
ユーザーは急いで情報を求めています。
3秒以上読み込みが遅いと50%以上が離脱すると言われています。
特に弁護士分野では、
- 債務整理
- 刑事事件
- 不倫慰謝料請求
など緊急性の高いテーマも多く、「遅いサイトを見る余裕がない」ユーザーが大多数です。
- 画像とメディアの最適化
- コードとファイルの最適化
- サーバーとインフラの改善
などの対策が必要です
② スマホ閲覧が8〜9割。回線状況で差が出やすい
弁護士サイトはモバイル比率が極めて高いため、スマホで遅い=ほぼ全ユーザーに不利になります。
③ 広告と併用している場合、LPの読み込み速度がCV(問い合わせ率)を直撃
Google広告(検索広告・リスティング)と併用している事務所では、LPの読み込み速度=広告の成果と同義です。
- 表示が遅い
- ボタンが動かない
- 画像が重い
これらは広告費を無駄にする最大の原因になります。
当社は弁護士・士業専門の制作会社として、集客につながるための総合的な支援を行っています。
SEO対策から見た弁護士のホームページ制作と当社の法律事務所ホームページ制作サポートをご参照ください。




















