法律事務所(弁護士)の相続ホームページ制作の考え方
弁護士の相続ホームページの運営と相談獲得
近年、弁護士が 相続ワンストップサービス を提供するホームページの運営に関わるケースが増えています。
相続は法律、税務、不動産など多方面に関わる分野のため、弁護士が単独で対応する場合でも相談内容の明確化と情報提供の充実によって相談獲得率を上げることが可能です。
特に、サイト上で「弁護士が関与することでどのような解決が期待できるのか」を詳しく説明することで、相談者の不安を払拭し、依頼へとつながりやすくなります。
相続は業務領域が広いので、ワンストップ対応でない場合は弁護士マターである業務を明確にするほうがユーザーにとっては親切な作りと言えます。
富裕層がインターネットで弁護士や税理士を探して相続相談をすることは 稀 ですが、アッパーミドル層であればインターネットを活用する傾向があり、ターゲット層として考えられます。
相続サイトに掲載すべき重要なコンテンツ
相続ホームページにおいては、以下のコンテンツが重要です。
1. 解決事例の掲載
相続問題は相談者によって状況が異なるため、どのようなケースに対応できるのかを明示することが重要です。
他の法律サイトでも解決事例の掲載は重要ですが、相続サイトにおいては最も影響力のあるコンテンツとなります。
「相続と弁護士」というテーマで、具体的に何が解決可能かを示すことで、相談者の信頼を得られます。
2. 事務所が対応可能な業務一覧
相続関連の業務を包括的に掲載することで、相談者に必要なサービスを認識させることができます。
以下のように、相談者の状況に応じたページ構成を検討することが望ましいです。
- 相続開始前の対応(遺言作成、家族信託ほか)
- 相続開始後の対応(遺産分割協議、調停・審判・訴訟、相続放棄、遺留分侵害額請求ほか)
- 遺産整理・相続手続き(預貯金調査・解約、遺産の分配、相続登記、相続税申告、不動産売却ほか)
3. 相続Q&Aの充実
相続は一生に何度も経験するものではなく、相談者の知識が乏しいケースが多いため、分かりやすく詳しく説明することが求められます。
よくある疑問にQ&A形式で回答するページを設けることで、相談者の疑問解消につながります。
4. コラム
解決事例と同様に他のテーマサイトでも重要なのがコラムです。コラムは公開後にも追加しやすく、扱いやすいコンテンツになります。Googleは専門家によるコンテンツを高く評価します。弁護士の書いた記事は、法律の専門知識と経験に裏打ちされたものであるため、その信頼性と権威性が評価されやすいです。コラムは署名記事として公開しやすいので、効果的な運用が可能です。
相続業務における事務所運営の視点
相続業務は、遺言作成や遺言執行など長期間にわたる付き合いが発生する分野であり、事務所の長期的な運営戦略に影響を与えます。
短期的な集客施策だけでなく、将来的な相談につながる関係性の構築が重要になります。
また、相続業務は他士業との連携が比較的しやすいテーマであり、税理士・司法書士・不動産業者などとの協力関係を築くことで、相談者のワンストップ対応を実現できます。
相続を 核 にすることで、事務所全体の業務拡充につなげることができます。
相続ホームページ経由の法律相談
相続関連の法律相談については、有料相談が好影響を与えることがあるという特徴があります。
これは、相続相談の相談者の年齢層が高いことや、有料相談にすることで真剣な相談者を集められるという点が理由と考えられます。開業時は周辺の法律事務所との競合関係も完全には把握できませんので、まずは無料相談で開始して、相談が集まることを確認してから有料相談に移行するかたちでよいかと思います。
また、相続人本人がホームページを探すのではなく、子供や孫が弁護士を検索し、推薦するというケースもあります。
この場合、ホームページの印象として「安心できる対応をしてくれる法律事務所」という視点が重視されるため、信頼感を与える内容を意識することが重要です。